こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「戦車 VII」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「戦車 VII」の象徴と解釈
「皇帝IIII」などに描かれる権威的人物像と違い、このカードでは二輪の戦車に乗った若き王の姿が描かれる。
一般的にこの若き王は、明確な目的を行動に移す第一歩を踏み出した場面として解釈が行われている。
また数字の「7」は『運命』や『宿命』、『変容』などと大きく関わる数字であると考えられている。
例えば、創世記に記される創造行為は7つ(6つの段階と1つの休憩)であり、錬金術では7つの金属と7つの惑星の影響による7つの変容の段階があり、サイコロの向き合う面の和は全て「7」であり、今日にみられるスロットマシンの大当たりの出目は、普通7 7 7となっている。
勝利者の凱旋パレード
マルセイユ版に描かれる「戦車VII」では、黄金の冠と甲冑に身を包んだ若者が黄金の杖を手にし、赤と青の馬を生やした車輪付きの台座に乗った構図で描かれている。
また、台座には4本の柱が取り付けられ頭上の天蓋を支えている。
一説では、戦地から戻ってきた勝利者の凱旋パレードの光景だともいわれる。
2頭の馬と4本の柱
柱に注目すると、外側の2本は赤、内側の2本は青に塗られ、2頭の馬と同色である(一部では色が異なり、白と青なども見られる)。
この2頭の馬は、自然界全ての動物的エネルギーの肯定的側面と否定的側面のそれぞれと結び付けられ、身体的な側(赤または白)と精神的な側(青)を象徴していると考えられている。
このため4本の柱は、人間の内面における様々な側面が一つの「戦車」に取り付けられることにより、ある一定の共通目標に向かって機能し始めたことを表している。
車輪と未熟さ
だが、台座に取り付けられた車輪は横向きであり、このままでは物理的に動くことができない。
つまり、この若き王は車輪についても、真下に生える草木が踏み折られることも気にしておらず、自分の見つめる目標以外の何ものにも意識を向けていない未熟な若者を示している。
精神世界を旅する為の象徴的イメージ
さらに、この「戦車」に手綱が付いていないこと、車輪の向き、馬と台座が一体になっていること等から、“地上を走るための乗り物ではない”といった解釈が行われる。
解釈の方向として、カードを見る者の精神世界を旅する為の象徴的イメージとする解釈、太陽神アポロンの駆る戦車や旧約聖書に登場する火の戦車などをモチーフとした解釈などが挙がる。
二頭の馬は真正面から描かれているため、後ろ足部分が確認できず、まるで頭は二つあるが胴体は一つになっているかのようにも見える。
マルセイユ版の種類は数多く、中にはそれぞれ異なる馬らしくない色彩に染められているもの、頭が完全に人間の顔になっているものなども見られる。
ウェイト版
ウェイト版では、マルセイユ版など古典的なものと比較すると異色の構図になっている。
絵柄には、前述のマルセイユ版が表すものとは逆で、幌付きの馬車に乗り、いざ出陣の時とばかりに前途を見据えた青年の姿が描かれている。
頑丈な石造りの戦車に乗る青年は、意気揚々と真っすぐに未来を見つめているかのようである。
背景の黄色い色彩や幌に散りばめられた星の模様、さらに額の王冠の大きな一つ星などが光り輝く様子が鮮やかであり、車輪もきらきらと輝くような太陽の光の色に染められている。
これらに囲まれた青年は、ただひたすらに前進していけばよいだけの状況を示している。
背景の城は青年が出発した生家であり、その目的地は戦車の天蓋が意味する天界である。
衣服の中央に見られる正方形の胸当ては、旧約聖書に見られるアロンの裁きの胸当てをモデルにしたとされ、勝利、凱旋を表すとともに、宗教上の儀式、行列を意味するものでもある。
両肩の肩当てに象られた月は、全体から見て不安要素や持続性の無さを表しており、不安を抱えて出発した城に戻ってしまう暗示があるとされている。
この不安定な要素は、戦車の前方にある独楽の絵柄にも見られる。
この独楽の上部にあるのは、古代エジプトに見られる翼のついた太陽のシンボル「有翼円盤」である。
この2つの絵柄は、人間の衝動性が純化され高次の力へと昇華されたものであることを示している。
「女教皇」と「教皇」との関連
戦車を引く馬が白と黒のスフィンクスに変更されている。
スフィンクスの白と黒は、「2 女教皇」の柱と同じく、慈愛の面と峻厳の面であることを物語っている。
低次元の本能が黒、高次の理念が白のスフィンクスであり、それを御する人間との3点に焦点を当てれば、「5 教皇」で触れた肉体と霊と魂の三位一体の思想とも結びつく。
なお、ウェイトが戦車を引く馬の代わりにスフィンクスを採用した試みは、エリファス・レヴィのデザインが最初のもので、モデルになったのは、二頭の獅子に引かせた車に乗る月の女神キュベレーの彫像であると思われる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カモワン版
王冠を戴く戦士が二頭立ての戦車に乗って勝利の凱旋をしている。
彼の眼は勝ち誇ったように過去の業績を振り返っており、肩の上にある顔は未来を見ている。
地上だけに飽きたらず、天上界にも向かおうとしていることを現している。
右手に持った笏は太陽と月があり、彼が陰陽両極の力を自由に使えることを示している。
二頭の馬は額に第三の眼が開き、右が母馬、左が子馬であるかのようである。
子馬はいきりたって上を見上げていますが、母馬は片目をつぶって自制を促している。
戦車の中央にある朝露のマークがある。
中世の錬金術師は、朝草の上に転がっている朝露は夜の間に宇宙のエッセンスを凝縮した精髄だと考えていたことから、彼が軍事的勝利者ではなく、錬金術の導師であることがわかります。
仏教に於いての「戦車」
※後日更新予定です
「戦車 VII」の視点
「結果ではなく、やってみるという行為、挑戦にこそ意味がある」
「英雄」とは、危険な賭けである勝負の場へと勇敢に出向いていき、勝つか負けるかの戦いを果たすという行為を成し遂げた人のこと。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「戦車 VII」の連繋カード
隠者VIIII・・・・導師
節制XIIII・・・陰陽のマスター
悪魔XV・・・物質的成功 錬金術
世界XXI・・・宇宙的旅行者
「戦車 VII」のキーワード
勝利 征服 達成 成功 宇宙意識 闘志 旅行 男性の恋人
正向き
- 物質世界における成功
- 「戦場」から抜け出て人間世界で成功を収める
- 戴冠して疑いと不定な状態を捨て去る
- 人間界の試練を卒業する
- 何が成功するかを知っている勝利者
- 力を持つ人
- 他者を助けることが出来る
- 息子
- 勝利
- 援軍
- 行動力
- 積極力
- 突進力
- 開拓精神
- 独立
- 解放
- 体力無限大
- 負けず嫌い
- 視野の拡大
- ゾーンの発動
- 優勢
- 自己暗示
逆向き
- 成功を拒否する
- 成功を妨げる
- 暴走
- 不注意
- 自分勝手
- 失敗
- 独断力
- 傍若無人
- 焦り
- 挫折
- イライラ
- 視野の縮小
- 好戦的
- 劣勢
- 無知
人間関係
正向き
- 旅の道連れ
- 海外旅行
- 共通の目的に邁進
- 積極的関与
- 競争に勝つ
- 成功体験
逆向き
- うまくいかない
- 失敗
- 挫折
- 競争相手に敗北
- 強引
- 無理に通そうとする
恋愛と結婚
正向き
- 恋の勝利者
- プリンス・チャーミング
- 恋の成功
- 新婚旅行
逆向き
- 攻勢的すぎてうっとうしい
- ストーカー
- 粗暴な男性
- 危険な相手
金銭問題
正向き
- 強気
- ブル市場(買い)
- 万事、意のままになる
- ビジネス・チャンス
- 事業の成功
- 繁栄
- 押しの一手
逆向き
- 思わぬ落とし穴
- 突然の事故
- 反感を買う
- 思い通りにいかない
ビジネス
正向き
- 勝利
- 成功
- 実行
- 未来と過去の双方を見据える
- 予算管理
- 乗物
- 自動車
- 航空
- 交通
- 観光
- 海外
逆向き
- 先走り
- 出足をくじかれる
- 資金不足で失速
- 大言壮語
仕事捜し
正向き
- 成功者
- ドライバー
- レーサー
- 兵士
- 自動車
- 鉄道
- 航空
逆向き
- 勇み足
- 高望み
- 強引
- 転職失敗
- 喧嘩
- 別れ
- 事故
仏 伊 英 表記
フランス語 Le Chariot ル・シャリオ
イタリア語 Il Carro イル・カッロ
英語 The Chariot
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちの言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」 生年月日別にガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」 https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」 2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。