こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「悪魔XV」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「身心を悩ませて苦しみを与えられるが 乗り越える強さも与えてくれる」ー奪衣婆ー
「悪魔 XV」の象徴と解釈
悪魔の名が示す通り、誘惑の象徴として解釈が行われる。マルセイユ版では、頭部に黄金の角と冠、背中にコウモリのような羽をもち、手には鋭い爪を備え、左手に柄の無い剣を持つ悪魔の姿が描かれている。
心理的錯乱状態
「悪魔XV」が最も強調している象徴は「訳がわからない」である。
頭部の角は牡鹿の形であるが、手には猛禽類を思わせる爪を備えている上、背中の羽は哺乳類であるコウモリの形である。
また、股間の膨らみは男性を象徴するが、女性の胸部を意図した図形を胸に模している。
これは「悪魔」が(エデンの園など)人間に接触する際のカモフラージュとして、女性の純粋さや無邪気さを装い、悪魔の持つ「残忍さ」や「姑息な心」を覆い隠そうとしているためと考えられている。
このように“ちぐはぐ”な象徴を一体の像に集約することは「混乱」や「葛藤」といった心理的錯乱状態を示し、「悪魔」を滅亡や破壊へと誘う恐ろしい存在として扱っていると解釈される。
剣
これを最も象徴しているのが、「悪魔」の持つ剣である。
剣自体は大アルカナの他のカードにもしばしば登場し、小アルカナのスートにも採用されている象徴であるが、「悪魔XV」では「刃の部分を持った状態」で描かれている。
つまり「悪魔」は剣の使い方はおろか持ち方すら知らないのである。「悪魔XV」に描かれる剣は、誰にも制御されない極めて危険な暴力の象徴である。
冠
このことから、「悪魔」の頭部の冠を北欧神話のオーディンの冠として結びつける説がある。
オーディンは北欧神話における最高神であるが、プライドが高く、癇癪(かんしゃく)を起こしやすい激情家としての側面を持つことから、「悪魔」の冠をオーディンのそういった面を象徴していると解釈されている。
トリックスター
一方で、「悪魔」を「救世主」と見ることもできる。悪魔は創世記においてイヴをそそのかし知恵の実を食させたが、見方を変えれば(逆位置)、悪魔の意思がどうであれ、人間にとっては科学を発展させ地球上に種を広げる良い結果をもたらしたといえる。
これは「意図の有る無しに関わらず、当人の望む望まぬに関わらず、結果的に起こる奇跡」、即ちトリックスターを意味する。
2人の人物
また「悪魔」の下段には、頭部に角を思わせる飾り物を装着し、豚のような耳と尻尾を生やした2人の人物が、「悪魔」の立つ台座に繋がれた状態で描かれている。
この2人は「悪魔」のしもべと解釈される。これは、絵の構図が「教皇」(法皇V)と対になっていることから由来しているとされる。
人間の内面的部分が「悪魔」に仕えることによって起き得る様々な影響や、またその役割自体もよく解っていない状態を表し、何の葛藤も感じず、何の成長も無い餓鬼のような小さな存在であることが、「教皇」(法皇V)と同様に中心の人物との対比によって示されている。
「悪魔XV」と「法皇V」
加えて、2人の人物が薄ら笑いを浮かべている様子は「自分の行動を完全にコントロールできる」と思い込んでいる人などによく見かける表情である。
つまり、この2人も「悪魔」が「教皇」と違い、「独裁的」で「自己中心的」な律法を司ることを示す要因ともなっている。
故に、「教皇」(法皇V)カードでは悪魔が教皇となり、下の2人が後ろ向きで描かれている。
しかし「悪魔」としもべを繋ぐ縄はゆるく、自覚さえあればしもべは「悪魔」の支配を脱することができることも意味している。
ウェイト版
ウェイト版に描かれる悪魔は、磨羯宮(山羊座)を象徴するヤギの角、ワシやタカの要素である鉤爪状の足、蝙蝠のような翼が生えた姿で描かれており、バフォメットや、農耕を司る神パーンがモチーフとされる。
この悪魔の下にいる、四角状の黒い台座に繋がれた鎖に捕われた1組の男女にも角と尻尾があり、悪魔と同化していることが窺える。
左の女性の尻尾は古代からワインなどで用いられている葡萄の房が描かれており、右の男性の尻尾には、悪魔の左手に持っている松明から着火して燃えている様子が描かれている。
これらはいずれも欲望や快楽から夜を騒がせてきた犯罪者、独裁者を示すものとされる。
悪魔の頭上には五芒星が上下逆に描かれていて、これが示すものは堕ちた人間、堕落の象徴とされている。
台座の色と背景の黒は、本来人が関わるべきでない闇の世界が一面に広がった、悪徳の元凶がここにあるという構図としている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カモワン版
この悪魔は第三の天界への入り口に立ち、ここを通ろうとする人を誘惑し、自分の奴隷にしようとしている。
腹の上にかかれた顔が、もうひとつの人格を表し、 彼は錬金術師であり、その修業が相当進んでいることは膝にも第三の眼が開いていることから分かる。
奴隷たちをつなぐ綱はゆるく、喜んで繋がれているように見える。
足は根をはり、悪魔に従属していることを表す。
「悪魔 XV」の視点
「ややこしい事態に感じる不快さは、なにもかもがハッキリしないことに原因がある」
ハッキリさせたくてもできないという事態は、わたしたちの誰もが陥る状態。
それはまさにこのカードの「悪魔の台座からのびた紐に囚われてしまっている人間」の状態である。
悪魔のカードの絵柄は、中途半端な状態のまま、ややこしい事態から抜け出せないありさまを表現してるといえるだろう。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「悪魔 XV」の連繋カード
力XI・・・帽子についた角
13番XIII・・・黒い土壌 無意識世界
月XVIII・・・動物性
太陽XVIIII・・・隷属を離れた状態
世界XXI・・・ロープの形が世界のリースの半分しかない
「悪魔 XV」のキーワード
誘惑 隷属 束縛 欺瞞 詐欺 物質主義 セックス 金銭 現世的利益
正向き
- 精神的幻影
- 嘘
- 執着
- 動物的
- 「神の家」に入る直前にいる天上界の偉大な番人
- 独裁的な人物
- サディスト
- 自己否定
- 裏切り
- 拘束
- 堕落
- 束縛
- 誘惑
- 悪循環
- 嗜虐的
- 破天荒
- 憎悪
- 嫉妬心
- 憎しみ
- 恨み
- 根に持つ
- 憤怒
- 破滅
逆向き
- 騙しのテクニック
- いいかげんな約束
- 隷属に気がつかない
- 腐れ縁
- 悪意
- 行き過ぎった策略
- 回復
- 覚醒
- 新たな出会い
- リセット
- 生真面目
- 反省
- 猛省
- 出直し
- 転生
人間関係
正向き
- ワンマン
- 強引な上司
- 打算的な関係
- 物質、金銭、セックスで結びついた関係
- 快楽
- 献身
逆向き
- 傲慢
- 卑屈
- 束縛
- 腐れ縁
- 隷属状態
- 悪事
- 誘惑
- 誤解
- 弾圧
恋愛と結婚
正向き
- 誘惑
- 快楽
- セックス
- 深い結びつき
- 宗教的つながり
- 執着心がつよい
- 子どもに問題が起こる
逆向き
- 不健全なセックス
- サド・マゾ
- 憎しみ合う関係
- 別れられない
- 腐れ縁
- 騙される
- 結婚詐欺
金銭問題
正向き
- うまい話
- 甘い見通し
- 資金繰りがつく
- 一時的にはうまくいく
- 金銭につながれている関係
- 金の切れ目が縁の切れ目
逆向き
- 高利の借金
- 債務超過
- 銀行管理
- サラ金
- 詐欺に合う
- 金銭問題
ビジネス
正向き
- 売掛け
- 忠誠心
- 上意下達
逆向き
- 腐敗
- 反社会的行為
- 詐欺
- 悪い上司
- 債務超過
- 依頼心
- 隷属心
- 執着
仕事捜し
正向き
- 束縛
- 幻想
- 要注意
- 警察
- ヤクザ
- カルト
- 就業規則
- サービス残業
- サラリーマンの悲哀
仏 伊 英 表記
フランス語 Le Diable ル・ディアブル
イタリア語 Il diavolo イル・ディアボロ
英語 The Devil ザ デビル
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちが残してくれた言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」 生年月日別にガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」 https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」 2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。