こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「節制XIIII」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「中道を歩む」仏教における節制=中道 ひとつの極端な生き方に固執して、人間としてのバランスを欠いてはいけない。断と常を離れ、とらわれのない生き方をする
「節制 XIIII」の象徴と解釈
羽の生えた人物が超絶的な業をもって杯(或いは水差し)から杯へ水を移し替えている様子が描かれる。この人物は大天使ミカエルであるとされ、規律と節度、慈愛と献身を表している。
また、タロットカードの22枚の大アルカナが錬金術における不老不死の霊薬、エリクシールの製造過程を寓画に起こしたものとする説があるが、この「節制」に描かれる水を移し変える作業はまさに錬金術の基本、調合そのものである。
マルセイユ版に描かれる「節制」には、青い髪の額部分に赤い花をつけた羽の生えた人物が、青い壺から赤い壺へ白い液体を注いでいる姿が描かれている。
壺(杯、水差し)
この壺(杯、水差し)をもって、オズヴァルド・ヴィルトはこのカードを水瓶座と関連付けた。
この対極にある2つの壺の中身は、男性性と女性性、陰と陽、火と水、霊と肉、意識と無意識といった相反する要素を象徴し、それらが混ざり合う液体は白色であり純粋な本質を象徴していることから、『相反する要素の結合に至る様子』を表している。
有翼の人物
有翼の人物は、この相反するもの同士を結びつける「仲介者」として描かれている。
衣服や頭部の配色は、赤と青のどちらにも偏ることなく公平な立場にいることを示し、羽をもった姿は人智を超えた存在、即ち天使として解釈され、世俗的な些細なことがらを超越した存在であることを暗示している。
また額の花は、五弁の花びらの円形でありマンダラ即ち第五元質を象徴しているとされるのが、今なお有力な説である。
四大元素(風・水・地・火)
ウェイト版でもマルセイユ版のものとそれほど絵柄は変わっていないが、描かれている天使そのものが四大元素を一つにまとめあげ、調和されたデザインをより強調したものとなっている。
天使の背中の羽は風を、水につけている右足は水を、地につけている左足は地を、胸にある上向きの赤い正三角形は(錬金術における)火をそれぞれ象徴している。
光輪(ウェイト版)
また背景に着目すると、天使の背後には、栄誉の印とされる「光輪」が描かれている。
吊された男の札にも描かれていて、死神を挟んだ前後の札2枚の光輪は、生死の狭間を体験するものには既に栄誉を与えられている可能性があると信じられている。
左側の山から出る「日の出」は、死と再生の札を経て新しい生命を獲得した人の産声が上がろうとしていることを象徴している。
この日の出は、前述のマルセイユ版での錬金や調合が成功したことを表す太陽として描かれており、新しい生命の誕生を想起させる図柄となっている。
アイリス
背景右側に咲いている2つの花はアイリスである。
アイリスは、ギリシャ語で「虹」を表す女神イリスを語源としたものであり、この札には描かれていないものの、このアルカナの情景が、虹の橋がかかっていてもおかしくはない、地上のあらゆる生き物たちと天界の神々とが共に微笑む穏やかな晴天の一日であることが伝わる札でもあると言われている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
女神の目
節制XIIIIと月XVIII はふたつの水瓶が連繋カードとなっている。
節制XIIIIの女神の目は、水瓶の水を一滴もこぼさない尋常ではない集中力を現わし、月XVIII の女神は、水瓶の水を惜しみなく大地に降り注いでいるかのような絵柄。
カモワン版
辛い死の試練を乗り越えた者を待ち受けている巨大な天使が、両手に瓶を持って液体を流し込んでいる。
普通は多大な集中力を必要とするが、 この天使は眼を左の方に向けながら一滴たりともこぼさず、無駄がなく、効率的で経済的である。
額につけている赤いバラは、いっさいを見通す霊視力を意味しており、彼女の眼が普通ではないのは、あらゆる問題を抱える全ての人間をすくい取ろうとしていることを表している。
彼女が救うのは肉体的生命ではなく、死後の生命であることは、こぼさないようにしている液体が、死や再生を表す水瓶座の記号を暗喩しているからである。
衣の下には黄色い蛇がいる。一匹は自分のしっぽを自分でくわえていて、これは永遠の生命を表すウロボロスの蛇を意味する。
仏教に於いての「節制」
※後日更新予定です
「節制 XIIII」の視点
「あっちか、こっちか、どちらかを取るのではなく、そのふたつの選択肢を混ぜ合わせたところに答えがある」
中世ヨーロッパの4つの徳のひとつに数えられる「節制」の態度を擬人化した絵柄。
ふたつの壺を持ち、その中身を混ぜ合わせようとしている。
片方がワインで片方が水で逆の作用と持つものである。
「真逆の立場にある存在を混ぜ合わせる」という行為こそ、このカードの視点を読み解くキーがある。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「節制 XIIII」の連繋カード
女帝III・・・蛇
戦車VII・・・最初の7 第1段の終わり
正義VIII・・・四弦徳
力XI・・・四弦徳 鋸(ノコギリ)の歯のようなギザギザ
星XVII・・・ふたつの水瓶
審判XX・・・最終的な救済
隠者VIIII・・・蛇
「節制 XIIII」のキーワード
救済 助け ヒーリング 集中力 経済 時間・空間の超越
正向き
- 天使の世界
- 未知の世界
- 13番XIIIでの死と再生を経て辿り着く
- 2匹の蛇 ヘルメスの杖
- 尋常ではない集中力
- 無駄のない人
- 苦しむ人々を助ける人物
- 調和
- 自制
- 節度
- 献身
- 謙虚
- 低姿勢
- 平常心
- 無限大
- フェア
- 公平
- 平等
- 正当
逆向き
- 救済を受け入れない
- 助けを拒む
- 集中力がない
- 援助を拒否する
- 過度の節約
- 忍耐力
- 浪費
- 消耗
- 生活の乱れ
- 不規則な生活
- アンフェア
- 不公平
- 不平等
- 不正
人間関係
正向き
- 救済
- 援助
- 癒し
- 節度を保つ
- 克己心
- 徐々に慣れる
- 相互扶助
- 経済的支援
逆向き
- 激情が抑えられない
- だらしがない
- 見捨てる
- 相手の立場を無視する
- 打算的
恋愛と結婚
正向き
- 節度
- 助け合い
- 素直な人
- 会うとほっとする
- 忍耐
- 怒らないこと
- 痛手から立ち直る
- 冷却期間を置く
逆向き
- 相手の気持ちを忖度しない
- お金にうるさい
- やることに節度がない
金銭問題
正向き
- 救済者の出現
- 支援者
- 経済
- 経済的思考
- 経費節減
- リストラ
- 集中
- 節約
- 適度
- 振替
- 通貨
逆向き
- 救済者が現れない
- 経済的思考の欠如
- 浪費
- 集中力がない
ビジネス
正向き
- 助け
- 経済
- M&A
- 経費節約
- 集中
- 時間をかけて徐々に行う
- 過激なことを避ける
- 人事交流
- 資金繰り
- 医療
- 流通
- 通貨
逆向き
- 業績不安定
- 資金繰り不調
- 救済者現れない
- 人事の滞り
仕事捜し
正向き
- 助ける仕事
- 耐える仕事
- 癒す仕事
- 医者
- 治療家
- 保護
- 介護
- セラピスト
- カウンセラー
逆向き
- 打算的
- ケチ
- 強情
- 不安定
- 不規則
- 集中力がない
連繋カード
フランス語 Temperance タンペランス
イタリア語 La Temperanza ラ・テンペランツァ
英語 Temperance
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちが残してくれた言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」 生年月日別にガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」 https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。