こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「神の家XVI」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「意味のある悩みは精進によって乗り越えられる 意味のない悩みは自分では対処できないどうにもならないこと」ー奪衣婆ー
「神の家 XVI」の象徴と解釈
伝統的な解釈ではバベルの塔ではなく「神の家」とされる。神の家とはキリスト教の教会を指した俗称であり、病院をさす場合もある。
雷光と二人の人物
この天から降りて「塔」に激突しているものは、雷光を一般的に表現する際にありがちなギザギザ状ではなく、どちらかといえば炎のように丸みを帯びた描かれ方をしている。
これは、雷でも炎でも無く「神から放出される聖なる力」そのものを表している。
即ち、二人の人物が、自らの作り出した強固な自意識の殻に閉じこもっていた状態から、何らかの外的要因によって開放された状態へと移り行く場面を描き表した様子と解釈される。
つまり、「神から放出される聖なる力」を、“神の怒り”ではなく“神の慈悲”による救済であると解釈し、人間的な宗教組織、即ち「塔」に囚われる人々を神が解放し、「塔」の頂に王冠、即ち絶対とする権力(神)は存在せず、「塔」の外に広がる広大な平野の果て、更には背景に描かれる球体、即ち世界・地球・宇宙に至るそのもっと上に存在していることを象徴している、と解釈される。
バベルの塔の崩壊説
「神の家」ではなくバベルの塔の崩壊とみる説では、もっとわかりやすい解釈がなされる。
マルセイユ版の「塔」には、炎のような物体が建物の屋根部分を吹き飛ばし、二人の人物が、一人は逆さまに、もう一人は上半身が建物から出ている状態で描かれている。
古代メソポタミアにおける塔という建造物は、天と地をつなぎ、神々が地上に降り立つ道筋を提供する宗教的な目的で扱われていた。
また軍事的な防衛・観察・牢獄・退却に使用する要塞として扱われ、現在においても政治・経済・教育・文化などの様々なプロパガンダは塔を媒体として行われている。
しかし、この「塔」に描かれる建造物は人間と対比してわかるようにとても小さく、およそ天まで達し、神との交信を図るような存在とは思えない。
また、人物の一人が建物から出てきているように見えることから、この建物は二人の人物の私有物であり、彼らが作ったものと解釈される。
彼らは建物に王冠を模した屋根を取り付けていたと見られ、自分達の作り出したものを絶対無二の存在とし、他のいかなる存在も認めていなかったことを象徴している。
稲妻
「塔」では、まさに今、建物の王冠が取り払われた様子が書き出されている。
王冠を吹き飛ばす奇妙な物体は稲妻とされている。
稲妻は古来より「神から放出される聖なる力」の象徴として、しばしば“神の怒り”などと表現される。
三つの窓と炎
ウェイト版では、黒い背景の中で落雷を受けて破壊、炎上した塔から中にいた2人が投げ出されている様子が描かれる。
ただしこの札の場合、「旧約聖書」には、石の代わりにレンガを、漆喰の代わりにアスファルトを使用したと記されただけで、この塔がバベルの塔をモデルにしたかどうか、詳しいことは分かっていない。
塔の破壊された部分と三つの窓からは炎が上がっており、マルセイユ版の炎上する塔を踏襲している節が見受けられる。
炎には「清め」という象徴があり、神を奉る場所や神に関する儀式の際には多く火を焚く場所が設置されていて、仏教においては、火は知恵や真理の象徴とされ、煩悩を焼き尽くすとされている。
王冠
塔の上にある王冠は「成功」を意味し、塔はそれが自分を束縛するという状況を象徴している。
この王冠の色と同じく、稲妻の色が太陽の恵みを表す黄色とされているのも特徴で、破壊されることが幸いであるかのように描かれている。
太陽の恵みを与えるにあたり、これのみならず、全ての大アルカナカードには必ず黄色に塗られている箇所がある点が大きな特徴となっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
次に受ける試練説
カモワン版では、悪魔の誘惑に勝った者が次に受ける試練が生きながら神になること解釈される。
それが行われるのがこの塔であり、その試練の衝撃に耐え切れずに命を失う者も多いことから、このカードは崩壊や破滅と言われることがある。
仏教に於いての「神の家」
※後日更新予定です
「神の家 XVI」の視点
「その原因を自分の責任にも他人の責任にもせず、ただあるがままに受け止めて、次に進む」
もしこの塔が「神の家」なら、それを壊すのは神自身であるはずはない。
また、神というのが絶対的な力を持つなら、それを壊すことのできるものなど、この世にいないはず。
では、この神の家に一撃をくらわせている炎のような、雷のようなものの正体とはなんだろう?「その正体は不明」そう答えるしかない。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「神の家 XVI」の連繋カード
隠者VIIII・・・赤い杖 クンダリーニの象徴
月XVIII・・・建造物
星XVII・・・謙譲の美徳
「神の家 XVI」のキーワード
衝撃 天啓 驕りによる破滅 父の家 組織的運営 建築 建造物
正向き
- 「神」が現れる
- 「神」に従えば豊かさを得る(天界からふる硬貨)
- またとない好機
- このうえない喜び
- 天賦の才能を使う
- 試練の後
- 人生が贈り物を与える
- 修道院
逆向き
- 受け止めることのできないほどの衝撃
- 驚愕
- 狼狽
- 家を出ていく
- 組織的崩壊
- 思い上がり(バベルの塔)
- 神の豊かさを拒否する
- 父の家の問題
- 緊迫
- 突然のアクシデント
- 必要悪
- 誤解
- 不幸
- 無念
- 屈辱
- 天変地異
人間関係
正向き
- 父
- 父方の家系
- 衝撃的事件
- 階層組織
- 人間関係における神の出現
逆向き
- トラブル続出
- 疑心暗鬼
- 破滅
- 組織の解体
- 派閥抗争
恋愛と結婚
正向き
- 一目惚れ
- 家庭
- 一家団欒
- 住宅建設
- 男性自身
- 父の家
逆向き
- 誤解
- 喧嘩
- 衝突
- 突然の破局
- 破断
- 別居
- 離婚
- インポテンツ
金銭問題
正向き
- 銀行
- 金融機関
- デフレ
- 注意信号
- 足元にお金が落ちている
逆向き
- 突然の危機
- 打撃
- 督促状
- 倒産
- 破産
- 火の車
ビジネス
正向き
- 会社
- 組織
- 階層秩序
- 衝撃的事件
- 災害
- 損失
- 赤字
- 破綻の兆候
- 土木・建設業
- 銀行
- 証券会社
- 損害保険
逆向き
- 倒産
- 破錠
- 組織の崩壊
- 事故
- 責任者の辞任
仕事捜し
正向き
- 天意を受け入れる
- 天の意志を尊重せよ
- 銀行
- 不動産
- 大会社
- 建設業
- 学校
逆向き
- 天意に背く
- 突然のトラブル
- プライドが高い
- 失敗
- 崩壊
- 破滅
- 損害
- 窮地に立つ
仏 伊 英 表記
フランス語 La Maison Dieu ラ・メゾン・ディウ
イタリア語 La Casa di Dio o La Torre ラ・カーサ・ディ・ディーオ
La Torre ラ・トッレ
英語 The Tower
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちが残してくれた言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」 生年月日別にガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」 https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。