こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「愚者」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「愚者」の象徴と解釈
描かれているのは一人の旅人らしき男と一匹の犬である。この「愚者」は(伝統的に)数を持たないカードであることや、「愚者」という単語から連想される象徴(ジョーカーや宮廷道化師、民間信仰におけるグリーン・マンなど)とその意味合いや、22枚の大アルカナの中で唯一移動している人物が描かれている絵札であることなどから、しばしば特別視されるカードであり、「世界」などと並んでその解釈は注解者ごとに(とりわけ)千差万別である。
マルセイユ版タロットに描かれている「愚者」は、派手な衣装と冠を身に着け、右手に杖を持ち、左手には先端に袋のようなものを取り付けた棒を右肩に担いだ人物が、草の生い茂る荒野を歩いている姿が描かれている。また人物の後方からは犬が追従しており、その前足を人物の右足付近に寄せている。
- 皮袋・・・黄金の入った皮袋 錬金術を示唆
- 鈴・・・輪廻転生の数
- 空色の犬・・・霊性を示す
- 石・・・天球を表す
- 視線・・・常に右上を見上げている
- 3つの点・・・秘密結社
- 卵・・・手元に隠された白い卵
- 22枚の葉・・・大アルカナの数
- 赤い杖・・・霊的エネルギー
愚者の二面性
マルセイユ版の「愚者」はその抽象的な絵柄の為、見方によっては後ろ歩きをしているようにも見える。これは「愚者」の持つエネルギーが無意識的なものであり、一定の方向性を持たず自由気ままに放たれていることを表している。しかし、同時にそれ自体が目的であるとも解釈されており、このカードの二面性を示す要因として扱われている。
旅人説と放浪者説
「愚者」が移動している姿で描かれていることに関しては、「1」から「21」までの各カードを順を追って渡り歩く何らかの目的を持った旅人と解釈する説と、他の21枚の大アルカナを、または他のカードを意識すらせず全くの自由気ままに歩き回る完全に無計画な放浪者と解釈する説の二通りの説が存在しており、これらの説は両立する形でさまざまな解釈に用いられている。
服
この二つの解釈を如実に象徴するのが愚者の身に纏う衣装であり、その配色や装飾、特に首と腰に鈴が取り付けられている衣装の奇抜さは、さながらピエロを思わせるものとなっている。
この配色は奇抜でありながらも統一の取れた「魔術師」の衣装のように計画性の感じられるものではなく、鈴に関してはこの人物の「輪廻転生の数である」などと神秘的に解釈する場合を除けば、特別な意味合いはない。
加えて、この人物の持つ杖は旅の補助としてだけでなく、道化としての道化棒(鈴などが取り付けられている場合もある)と関連づけての解釈を除けば、特別な意味合いはない。
つまり、この人物は自分の衣服、さらには自分の持つ棒や荷物、果ては進んでいる方向やその目的、自分を取り巻く環境のいっさいについて特にこだわりや興味などは持ち合わせていないのである。故にこの人物は、後方の犬の存在すら認知しておらず、ズボンの右足は犬によるものか破かれたままとなっている。しかし象徴的な観点から照らし合わせると、この人物は決して「無能」な人物ではない。
霊的要素と繁殖と豊饒
この「愚者」は黄金の冠を被っているのである。冠は象徴的に王の持ち物であり権力の象徴とされ、黄金の冠は天上の神との交信を図るための霊的要素も兼ね備えた象徴とされる。このような象徴を「愚者」が身に着けているのは、この人物がある種の霊的な力を備え、過去には権力を持つ階級に居たであろうことを表している。
加えてこの人物が右肩に担ぐ荷物とその棒は「男根」の象徴であり、繁殖と豊饒の象徴である。これらの象徴は「トリックスター」との関連を強調しており、この「愚者」が道化などと同様に相対する二つの極を持っていることを表している。
つまり、この人物の愚行を象徴するもの、計算高くしたたかな側面を象徴しているものである。これらのことから、この人物はいっさいの計画性を持ち合わせていないが全くの無計画という訳ではないとやや矛盾した結論が付けられる。
ウェイト版
ウェイト版タロットの絵に描かれている人物は若い旅人で、若さは未熟さを現す。犬は旅人のパートナーで、前進を意味する。しかしこの若者は左側を向いている(象徴的に左は過去・精神世界などとされている)。旅人は自分の目の前に崖が迫っていることにまだ気づいていない。ウェイト版の「愚者」は今まさに崖に向かって歩こうとしていることが明らかであるが、この先、崖から落ちるか、踏みとどまるか、それは旅人次第である。思想家エリファス・レヴィによれば、「審判」と「世界」のカードの間にこの「愚者」を置いて、特殊な切り札として相応に扱っており、エジプト人の死生観を導入させたとも考えられる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カモワン版
22枚の大アルカナのうち、このカードだけ左から右に向かって歩いている。
過去から未来に向かって探求の旅をしており、あらゆる可能性が彼の前に広がっている。
服装をみると、赤い玉飾りのついた頭巾をかぶり、緑と赤の極彩色の衣装に身をくるんでおり、右手には赤い杖を持ち、手元に白いタマゴを隠し持っている。
杖の先には秘密結社を表す3つの点があり、彼はどこかの秘密結社に属していることを示唆している。
左手の杖の先には錬金術で使うフラスコのような革袋がぶら下がっており、その中は金で満たされているのか、輝いて見える。
彼の後ろには犬がついてきて、彼のタイツは引きちぎられ、下着が丸出しになっている。無頓着なのである。
大地はところどころ水に濡れ、湿地帯のようで、道端には枯れ草が残っており、葉の枚数は22枚あり、タロットの大アルカナの枚数と同じである。
道に転がっている石は天体を現し、彼が天球をいくつも渡り歩く、旧約聖書の「創世記の最初の人」つまり【アダム】であることを示している。
仏教に於いての「愚者」
※後日更新予定です
「愚者」の視点
「そんなことで悩むことが本当に意味があるの? ときが経てばそれも笑い話じゃない?」
「どっちにしたらいいと思う?」というように、自分の迷いを他人に打ち明けたところ、「別になんでもいいんじゃない、そんなこと」といわれてしまった経験を思い出そう。
「分かってくれない!」と憤慨することもあったはずだが、でも、ときには「まぁ、そういわれればそうなんだけど‥‥」と、妙に納得してしまうこともあったのでは?
そういうときあなたは、たぶん、その一言によって自分の悩みごとを「愚者」の視点から捉えなおすことができたというわけだ。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「愚者」の連繋カード
戦車 ⅤII 世界 XXI・・・旅行
隠者 VIIII・・・・赤い杖 霊的エネルギー
運命の輪 X・・・・犬 輪廻転生
月 XVIII ・・・・犬
13番 XIII・・・・名前をもたない
「愚者」のキーワード
移行 旅行 探求 巡礼 魂の変容 自由 純粋 無頓着
正向き
- 大アルカナ21枚は人生を現す
- 愚者は人生を歩く人間の魂を現す
- 霊的探求を行う巡礼者
- 動いている
- 自己もしくは、他の何かを探求する
逆向き
- 移行することに問題がある
- 移りたくない
- 変わりたくない
- 旅行したくない
- 可能性が閉ざされている
- 無規律
- 放浪
人間関係
正位置
- 新しい友人を求める
- 新しい人間関係を始める
- 純粋な友情
- 忠実
- 忠告
逆位置
- 人の気持ちを推しはからない
- 気まま
- 独走
- 長続きしない人間関係
- 好き嫌いが激しい
- 移り気
- 変人
恋愛と結婚
正位置
- 自由な身分
- 新しい恋を探して放浪
- 相手を理想化する
- 純愛
- 束縛されたくない
- 華麗な恋愛遍歴
逆位置
- 勝手気まま
- 変人
- オタク
- 飽きっぽい
- 恋人がみつからない
金銭問題
正位置
- 夢想
- 一攫千金の夢
- 宝くじ
- 宝捜し
- 金策の旅
- 清貧
- 物乞い
- 旅費
- 貯金
- 職捜し
逆位置
- 金策つかず
- 夢ばかり見ている
- 年中貧乏
- 金銭にだらしない
- 収入の当てがない
- 無計画
- その日暮らし
ビジネス
正位置
- ベンチャー・ビジネス
- 事業の見通し
- 開業資金の調達
- 独創的事業
- 訪問販売
- ルートセールス
- 自由業
- フリーター
逆位置
- 甘い見通し
- 朝令暮改(ちょうれいぼかい)
- 無計画
- 無謀な冒険
- 組織からはみ出す
- 責任感がない
仕事探し
正位置
- 仕事捜し
- 離職
- キャリア
- 転職
- 高望み
- 完全主義者
- Uターン・Iターン
- 訪問販売
- フリーター
逆位置
- 失業
- 天職が見つからない
- 地に足がつかない
- 夢ばかり見ている
仏 伊 英 表記
フランス語 Le Mat ル・マ
イタリア語 Il Matto イル・マット
英語 The Fool
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちの言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」生年月日別のガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」 2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。