こんばんは、奪衣婆です。
今夜は、「手品師 I 」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の解釈とキーワードや仏教との関連をウィキペディアと愛読書からまとめました。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてをあてはめるのではなく、その時々で、心にとまったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにするといいかもしれません。
「手品師 I」の象徴と解釈
マルセイユ版タロットなどの伝統的なものでは、描かれている姿は奇術を行う大道芸人であった。マルセイユ版の魔術師(奇術師)ではかなり胡散臭い人物が描かれている。
先端が金色の巻き髪に異様な形の帽子をかぶって派手な衣装に身を包み、右手はコインをいじくり左手でステッキ(棍棒)をくるくると回している。
また、この男が立っている場所は原っぱであり、今にも壊れてしまいそうな3本足のテーブルの上に雑多な道具を引っ張り出して、ステージを開いている。
- 視線は左を向く。その方向に知っている人間、仕事、過去の経験、手引書を見る
- 机の上の四大元素を表すナイフ(風)、コップ(水)、コイン(地)
- 左右を向く足 どんな事態、どんな相手にも対処できる融通性、柔軟性
- 帽子は「永遠」を表す∞(レムニスケート)の形
- 杖 四大元素のひとつ(火)を表す
- 袋 愚者と同じ 元素をくるむ第5元素
- 3個のサイコロ 出目の数は3×7=21聖数
- 机 3本の脚しか見えない 第4のものは常に隠されるという秘教原理を示す
- 萌えでる芽 出現しつつある若い生命力 葉の数は左に7つ、右に8、つまり78
道具について
テーブルの上にはナイフや数枚のコイン、賭博などもやるのだろうかサイコロとコップなどが並べられ、それらが入っていたと思われるカバンも置かれている。
カバンからは布のようなものが飛び出し、中にまだ何か入っているらしいことを伝えている。
小アルカナのスートとの関連
このテーブルの上に並べられた如何わしげな道具類の一部と、魔術師(奇術師)の掲げる杖は、それぞれ小アルカナのスート(剣・杖・カップ・コイン)に相当する。
杖とコイン
この内の「杖」を魔術師(奇術師)が左手に掲げていることは、象徴学的側面から彼に備わった「力」が勉学や修行によってもたらされたものでは無く、無意識的に、生まれつき備えられた「力」であると解釈される。
対して右手で捏ね繰り回すコインは、常に人の世についてまわる「お金」を象徴し、この人物の意識的な部分が文字通り「商売」へと向いていると解釈される。
サイコロ
またサイコロは、6面に記された数字の和が「21」であることは、大アルカナに居並ぶ各カードに付記される数字の最大数であると同時に、(マルセイユ版では)数字を持たない愚者を除いた枚数と一致する。
テーブルについて
これらの品々が並ぶテーブルは四角形(四つ目の角はやはり隠されているものの、一般的に四角形と見られる)であるものの、テーブルの足は3本と奇妙な描かれ方をしている。
このテーブルが3本足であることについては諸説存在するが、代表的なものとして、三次元と四次元、三位一体と四位一体、第四のものは常に隠されるといった神秘思想・秘教原理、等といった事柄と関連付けて解釈が行われる。
衣装について
また、この魔術師(奇術師)の奇抜な衣装は見る者に胡散臭い印象を与えるが、愚者のようにおよそ規則性の感じられないものではない。
その衣装には一分の乱れも見られず、配色は左右非対称になるよう対照的に構成されている。
即ち、この人物はこういった奇抜な衣装を身に着けることによって意図的に自らの能力を覆い隠し、大衆を欺く計算高い人物であることを窺い知ることが出来る。
現にこの人物は身体を右(象徴として未来)に向けながらも左(同様に過去)を振り返り反省することを忘れない。
愚者との比較・照合
この魔術師(奇術師)は、その外見的特徴やトリックを行う職業柄などから愚者などのトリックスターと比較・照合されることがあるが、彼のトリックは失敗の許されない仕事であり、計算された上でのものであり、作品であり、芸術である。
故に彼は様々な奇跡を起こし万能の神のごとく立ち振る舞い観客を驚かせるが、あくまでステージの上に限定される。
補足として、この人物の両足の間から伸びる一際目立つ1枚の葉っぱは生命力の象徴であり、この後20枚続くカードの始まりたる「1」そのものであり、男根である。
カモワン版
2つのコップの中にコインを入れてそれを伏せ、見物人にどちらにあるかを当てさせるというイカサマをしているのがこのカード。
派手な色の服装をしているのは、一種の芸人であり、人を楽しませる職人ということを表しており、左の方に目線が有るのは、仕事をはじめたばかりでマニュアルを参考にしているのか、もしくは自分の経験を振り返っている。
机の上にはナイフとコップとコインは、風、水、地を表していて、手に持つ杖が火を現す、つまり4元素なのである。
机の上にある3つのサイコロの出目の数は3と7。掛け合わせると「21」という聖数になる。
机の足は一本足りないが、これは「第4のものは常に隠れる」という錬金術を含む秘教の原理を表している。
彼の足元は左右に向いており、これは追っ手が来たらすぐに逃げ出せる、自由であるということの象徴である。
仏教に於いての「手品師」
※後日更新予定です
「手品師 I」の視点
その存在の価値が、いいものか悪いものかは決定的ではない。それは活用次第でよくも悪くもなるもの
使い方によって善悪が変わるものも世の中には数多い。例えばナイフ。これは人を傷つける「悪いもの」として使うこともできるけれど、ジャングルで足にからんだツタを切る用途で使うなら「いいもの」と呼べるのは間違いない。
(引用:リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ)
「手品師 I」の連繋カード
斎王Ⅱ・・・カップルで男性、女性を代表する
恋人VI・・・どちらにも向く可能性
力XI・・・新しい出発 無限
世界XX・・・物質の四大と生物の四大 新しい出発 無限
「手品師 I」のキーワード
仕事 活動 新規 創意工夫 若い男性 徒弟 芸術 手仕事
正向き
- 起源
- 可能性
- 機会
- 才能
- チャンス
- 感覚
- 創造
逆向き
- 混迷
- 無気力
- スランプ
- 裏切り
- 空回り
- バイオリズム低下
- 消極性
人間関係
正向き
- 魅力的
- 心を捉える
- 口がうまい
- 精力的
- 変わり身が早い
- 機敏
- 個性的
逆向き
- 八方美人
- 軽薄
- 口先だけ
- 臆病
- 未熟
- 才気走る
- 過剰な活動
恋愛と結婚
正向き
- 若い男
- 恋人
- 恋の始まり
- 口説き上手
- 注目を引く
- 魅力的
- 恋の主導権を握る
- 知的
- センスがよい
逆向き
- うそつき
- 気乗り
- うまく気持ちが伝わらない
- 愚図
- 決断しない
金銭問題
正向き
- 仕事
- ビジネス
- セールス
- 営業
- 取り引き
- 市場
- 商売上手
- 活況
- 若者
- アルバイト
- 男の恋人
逆向き
- 仕事に手がつかない
- 働きすぎ
- 口先だけの約束
- 空手形
- 当てにならない相手
ビジネス
正向き
- 仕事
- ビジネス
- セールス
- 仕事
- 新規事業
- 技術的製品
- 創意工夫
- 適用力大
- 新入社員
逆向き
- 新規事業に困難が生じる
- 計画倒れ
- 技術的欠陥
- 未熟
- クレーム処理
仕事捜し
正向き
- 新しい仕事
- 熱意
- 創造的仕事
- 営業職
- 手仕事
- 職人
- 商人
- 口がうまい
- 新入り
逆向き
- 口数が多い
- すぐ気が変わる
- うそつき
- 未熟
- 技術がない
仏 伊 英 表記
フランス語 Le Bateleur ル バトルゥール
イタリア語 Il Bagatto イル・バガット
英語 The Magician
いかがでしたか。
キーワードは重要な手がかりですが、そればかり考えてしまうと何事も関連付けたくなり、本当の答えを探せなくなるので、くれぐれも、キーワードの海に溺れないでくださいね!
無数の賢人たちの言葉が、世の中にはまだまだたくさんありますので、随時更新していきます。
タロットカードを使って誰でもできる「心トレ」方法!自分を鍛えて不安を解消しよう!
当ブログの「心のトレーニング」で キーワードの活用方法をご紹介しています。
「冥界タロット」生年月日別のガリガリ亡者を紹介しています 当ブログを運営している奪衣婆のYouTubeチャンネル「もしもあなたに異なる人格があるとしたらこんな人かもしれません」https://www.youtube.com/@奪衣婆Meikai-Tarot
引用:おすすめ教材「リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー」 2009/1/24 伊泉 龍一 (著), ジューン 澁澤 (著) マルセイユ・タロットのリーディング方法やカードそれぞれの詳細が学べます。「大アルカナのパースペクティブ」はものの見え方を養ってくれます。