
こんばんは、奪衣婆です。

今夜は「手品師 I 」のマルセイユ版、ウェイト版、マルセイユ カモワン版の
解釈とキーワード、仏教との関連をまとめました。

「手品師 I」は、価値があるかないかはそれを使う者にとって決まる、という物の味方や考え方を教えてくれます。そして、多才であることを示しています。どの才能を活かすかは、このカードを持つ者次第なのかもしれません。
「手品師 I」の象徴と解釈
マルセイユ版タロットなどの伝統的なものでは、描かれている姿は奇術を行う大道芸人でした。マルセイユ版の魔術師(奇術師)ではかなり胡散臭い人物が描かれています。
先端が金色の巻き髪に異様な形の帽子をかぶって派手な衣装に身を包み、右手はコインをいじくり左手でステッキ(棍棒)をくるくると回しています。
また、この男が立っている場所は原っぱであり、今にも壊れてしまいそうな3本足のテーブルの上に雑多な道具を引っ張り出して、ステージを開いています。

「手品師 I」

「魔術師 I」
- 視線は左を向く。その方向に知っている人間、仕事、過去の経験、手引書を見る
- 机の上の四大元素を表すナイフ(風)、コップ(水)、コイン(地)
- 左右を向く足 どんな事態、どんな相手にも対処できる融通性、柔軟性
- 帽子は「永遠」を表す∞(レムニスケート)の形
- 杖 四大元素のひとつ(火)を表す
- 袋 愚者と同じ 元素をくるむ第5元素
- 3個のサイコロ 出目の数は3×7=21聖数
- 机 3本の脚しか見えない 第4のものは常に隠されるという秘教原理を示す
- 萌えでる芽 出現しつつある若い生命力 葉の数は左に7つ、右に8、つまり78

道具について
テーブルの上にはナイフや数枚のコイン、賭博などもやるのだろうかサイコロとコップなどが並べられ、それらが入っていたと思われるカバンも置かれています。
カバンからは布のようなものが飛び出し、中にまだ何か入っているらしいことを伝えています。

黄色・・・不動の象徴 太陽と黄金
赤色・・・地上での能力と生命の象徴
青・・・・天上、天空の象徴
緑・・・・治癒、創造、生命力の象徴
黒・・・・死、宿命、絶望の象徴
客観的に見えるものと直観
地上の生活に伴う光 熱
精神性 魂の平穏への導き
植物 湖 海
解放 出発点 再生へと導く
小アルカナのスートとの関連
このテーブルの上に並べられた如何わしげな道具類の一部と、魔術師(奇術師)の掲げる杖は、それぞれ小アルカナのスート剣・杖・カップ・コインに相当します。

杖とコイン
「杖」を魔術師(奇術師)が左手に掲げていることは、象徴学的側面から彼に備わった「力」が勉学や修行によってもたらされたものでは無く、無意識的に生まれつき備えられた「力」であると解釈されます。
対して右手で捏ね繰り回すコインは、常に人の世についてまわる「お金」を象徴し、この人物の意識的な部分が文字通り「商売」へと向いていると解釈されます。

サイコロ
またサイコロは、6面に記された数字の和が「21」であることは、大アルカナに居並ぶ各カードに付記される数字の最大数であると同時に、(マルセイユ版では)数字を持たない『愚者』を除いた枚数と一致します。

テーブル
品々が並ぶテーブルは四角形(四つ目の角はやはり隠されているものの、一般的に四角形と見られる)であるものの、テーブルの足は3本と奇妙な描かれ方をしています。
このテーブルが3本足であることについては諸説存在しますが、代表的なものとして、三次元と四次元、三位一体と四位一体、第四のものは常に隠されるといった神秘思想・秘教原理、等といった事柄と関連付けて解釈が。

衣装
この『手品師』(奇術師)の奇抜な衣装は、見る者に胡散臭い印象を与えますが、『愚者』のように規則性の感じられないものではありません。その衣装には一分の乱れも見られず、配色は左右非対称になるよう対照的に構成されています。
即ち、この人物はこういった奇抜な衣装を身に着けることによって意図的に自らの能力を覆い隠し、大衆を欺く計算高い人物であることを窺い知ることができます。
現にこの人物は身体を右(象徴として未来)に向けながらも左(同様に過去)を振り返り反省することを忘れない。

愚者との比較・照合
この手品師(奇術師)は、その外見的特徴やトリックを行う職業柄などから『愚者』などのトリックスターと比較・照合されることがありますが、彼のトリックは失敗の許されない仕事であり、計算された上でのものであり、作品であり、芸術なのです。
故に彼は様々な奇跡を起こし、万能の神のごとく立ち振る舞い、観客を驚かせるが、あくまでステージの上に限定されます
この人物の両足の間から伸びる一際目立つ1枚の葉っぱは生命力の象徴であり、この後20枚続くカードの始まりたる「1」そのものであり、男根です。

カモワン版の解釈
2つのコップの中にコインを入れてそれを伏せ、見物人にどちらにあるかを当てさせるというイカサマをしているのがこのカード。
派手な色の服装をしているのは、一種の芸人であり、人を楽しませる職人ということを表しており、左の方に目線が有るのは、仕事をはじめたばかりでマニュアルを参考にしているのか、もしくは自分の経験を振り返っています。
机の上にはナイフとコップとコインは、風、水、地を表していて、手に持つ杖が火を現す、つまり4元素です。
机の上にある3つのサイコロの出目の数は3と7。掛け合わせると「21」という聖数になります。
机の足は一本足りないが、これは「第4のものは常に隠れる」という錬金術を含む秘教の原理を表している。
彼の足元は左右に向いており、これは追っ手が来たらすぐに逃げ出せる、自由であるということの象徴です。

カバラ
※後日更新予定
占星術
※後日更新予定
仏教の「手品師 I」
※後日更新予定
「手品師 I」の視点
「その存在の価値が、いいものか悪いものかは決定的ではない。それは活用次第でよくも悪くもなるもの」
使い方によって善悪が変わるものも世の中には数多い。例えばナイフ。これは人を傷つける「悪いもの」として使うこともできるけれど、ジャングルで足にからんだツタを切る用途で使うなら「いいもの」と呼べるのは間違いない。
(引用:リーディング・ザ・タロット)

「手品師 I」の連繋カード
「手品師 I」キーワード
仕事 活動 新規 創意工夫 若い男性 徒弟 芸術 手仕事

起源
可能性
機会
才能
チャンス
感覚
創造

混迷
無気力
スランプ
裏切り
空回り
バイオリズム低下
消極性
人間関係

魅力的
心を捉える
口がうまい
精力的
変わり身が早い機敏
個性

八方美人
軽薄
口先だけ
臆病
未熟
才気走る
過剰な活動
恋愛と結婚

若い男
恋人
恋の始まり
口説き上手
注目を引く
魅力的
恋の主導権を握る
知的
センスがよい

うそつき
気乗り
うまく気持ちが伝わらない
愚図
決断しない
金銭問題

仕事
ビジネス
セールス
営業
取り引き
市場
商売上手
活況
若者
アルバイト
男の恋人

仕事に手がつかない
働きすぎ
口先だけの約束
空手形
当てにならない相手
ビジネス

仕事
ビジネス
セールス
仕事
新規事業
技術的製品
創意工夫
適用力大
新入社員

新規事業に困難が生じる
計画倒れ
技術的欠陥
未熟
クレーム処理
仕事捜し

新しい仕事
熱意
創造的仕事
営業職
手仕事
職人
商人
口がうまい
新入り

口数が多い
すぐ気が変わる
うそつき
未熟
技術がない
「手品師 I 」仏伊英表記
フランス語 Le Bateleur ル バトルゥール
イタリア語 Il Bagatto イル・バガット
英語 The Magician
まとめ

いかがでしたか。
ひとつの意味に多くの表現がありますが、すべてを当てはめるのではなく、その時々で、心に留まったキーワードを、ご自分の中にある答えを探すための手がかりにしましょう。
キーワードの海に溺れないでくださいね!

『冥界タロット』
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三途の川の畔でタロットカードを広げ『占』の行燈を灯しています。迷い込んできた『彼方者』の心の整理のお手伝いをして、遺した想いを聞いたエピソードをフィクションにして紹介しています。
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